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『みかん』の缶詰はどうやって作られるのか

みなさんは果物の『みかん』の缶詰を見たことや食べたことがありますよね。よく見てみると『みかん』の缶詰はとてもきれいにみかんの実がむいてあるな、と思いませんか。みなさんも生の『みかん』をむいて食べたことがあると思いますが、あそこまできれいにむけませんよね?缶詰は大量に生産されるので機械で皮をむいているとして、はたしてどうやったらあんなにきれいに『みかん』がむけるのか?不思議ですね。実はこのしくみには中学3年生で習う理科の中和反応というものが利用されているのです。

中和反応とは

水溶液には酸とアルカリという性質があり、小学校ではリトマス試験紙を使って赤になるのが酸性、青になるのはアルカリ性と習いました。塩酸や硫酸など金属をも溶かしてしまうようなものを酸といい、水溶液には必ず水素イオン(H)が含まれています。また、水酸化ナトリウムや石灰水のような水溶液には必ず水酸化物イオン(OH)が含まれており、アルカリといいます。この酸とアルカリはどちらも毒性の強い危険な溶液です。しかし、この酸とアルカリを混ぜるとお互いの性質を打ち消しあい、必ず水(H2O)ができ、水溶液はどんどん中性に近づきます。この反応のことを中和反応といいます。また、この反応では同時に塩という物質が出来上がります。

例えば、塩酸に水酸化ナトリウムを加えると塩化ナトリウム(食塩)と水になります。

         HCl   +    NaOH →   NaCl   + H2O

          (塩酸) (水酸化ナトリウム) (塩化ナトリウム) (水)

これが中学3年生の理科で習う中和反応です。実は『みかん』の缶詰にはこの中和反応が使われているのです。

『みかん』の缶詰ができるまで

みかんの外側の皮はある程度ローラーと機械で自動的にむかれ、はがれていないものは人の手でむかれます。中身は一つ一つに機械で割られていき、内側の薄い皮ははじめに希塩酸溶液(約0.5%)につけることで溶かされ、そのあと希水酸化ナトリウム溶液(約0.3%)の微温液で、それぞれ20~40分程度処理されます。こうすることで金属を溶かすような性質を持つ酸性だった水溶液が最終的には食塩水にまで変わるのです。これがまさしく中和反応です。こうすることでこのあと、水洗水でさらすと内側の皮だけがきれいにむけます。その後シロップに漬け込まれていきます。そうすると、みなさんの目にしたことのある、あのきれいな『みかん』の缶詰になるのです。面白いですよね。 このように、みなさんの普段の生活の中には中学で習う理科がたくさんあふれているのです。気になる人はYouTubeなどで『みかんの缶詰 作り方』を検索してみてください。

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