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東京都高校入試 内申点の基礎知識

自称清瀬市、東久留米市で一番高校入試情報に詳しい塾長の佐々木です。合同相談会のなんでも相談コーナーを担当していて「内申点」について質問いただくことがあります。本校では一人目のお子様が高校入試に向かう保護者様に向けて、東京都の高校入試における内申点についてご説明します。なお、基本的に公立中学校と東京都の高校入試の場合で記述していますので、東京都以外の方や私立中学校の方はご注意ください。

そもそも内申点って?

内申点=学校成績=評定=調査書点です。通知表でお知らせされる5段階の成績が内申点です。評価方法の詳細については年度の初めに中学校から通知されているはずです。基本的には定期試験で80点で4、90点で5になるのが目安です。中学校では保護者からの成績問い合わせに対応できるよう、成績評価を根拠がわかるように記録に残していて、問い合わせれば教えていただけます。「うちの子80点取っているのに3なんだけど」という保護者様もいらっしゃるとは思いますが、定期試験以外の小テストや提出物の評価が理由だと考えられます。どうしても気になる場合には問い合わせてみるとよいでしょう。

都立高校入試における内申点の取り扱い

都立高校入試には推薦入試と一般入試があります。推薦入試においては内申点、個人面接・集団討論、作文または小論文の評価を合計して合否判定を行います。各高校で配点比率は異なりますが、内申点においては最大50%までと定められていて、最大の50%にする高校が多いのですが、例として都立三田高校では調査書100点、個人面接250点、小論文250点と低く抑えられています。年度によって変わることがあるので、毎年10月以降に行われる高校ごとの学校説明会で確認しましょう。

一般入試では調査書300点+学力検査700点+スピーキングテスト20点の1020点満点で合否判定が行われます。調査書点は音楽・美術・保健体育・技術家庭の4科目を2倍にして最大65点とした後、300点満点に換算します。計算式は以下の通りで、小数点以下の端数は切り捨てです。

[(英+数+国+理+社)+(音+美+体+技)×2]÷65×300

苦手な実技科目があるとご相談いただくことも多いのですが「一般入試で7点多くとれば実技内申1ポイントとほぼ同じ」と考えるのが良いと思います。「苦手な体育を4から5にするのと、一般入試で7点多く正解するの、どっちができそう?」なんて面談でお伝えすることもよくあります。

学力検査は5科目500点満点を1.4倍して700点に換算します。スピーキングテストは5段階評価で4点~20点です。

私立高校入試における内申点の取り扱い

はじめに、私立高校入試においては一部の学校を除き内申点で合否が決まることを知っておいてください。ほとんどの私立高校では推薦入試・第一志望優遇入試、また第二志望優遇入試として、などといった名称で一定の内申点がある受験生に、ほぼ不合格にならない入試を行っています。第二志望優遇入試とは公立高校が不合格の場合には入学することを条件に出願する仕組みです。

内申点による優遇措置を受けずに受験することはフリー受験とも呼ばれます。優遇措置をうけている受験生から優先して合格が決まっていきますので、フリー受験をすることはおすすめしません。一部のトップ高校、例えば早稲田大学や慶応大学、GMARCHの付属校は、出願時に一定以上の内申点が必要で、入試間に合格は確約されません。これらの学校を第一志望にする場合には、第二志望優遇制度がある学校も併せて受験することになります。

いつの内申点が入試に使われるの?

この点においては都道府県によって制度が大きく違うのでご注意ください!東京都の場合は都立高校は全ての学校で、私立高校も一部の例外を除き、中学3年生の11月の定期試験結果で決まった内申点「のみ」を参照します。

それぞれのご家庭で「うちの子成績悪いんだけど」とお考えの保護者様いらっしゃると思いますが、中1最後の内申がオール3の9科27だったとしても、残り5回の成績評価で一学期につき2ポイントずつアップすれば9科37になって、多くの学校は受験できるようになります。進学指導重点校、進学指導特別推進校などを目指す場合には一学期に3ポイントアップして9科42にすればあとは得点力の勝負に持ち込めます。そのように考えておりますので、当塾では中学2年生までに行きたい学校のイメージをもっていただくように様々な取り組みをしています。

どれくらいが「良い」?「悪い」?

ここまで読んでいただいた保護者様は「結局、うちの子の成績って良いのか悪いのか?」とお考えだと思いますのでその疑問にお答えします。

都平均の内申は32.6

東京都教育委員会では、毎年3月に前年12月末時点の中学3年生の内申状況を公表しています。東京都教育委員会HP:都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和6年12月31日現在)の評定状況の調査結果について

こちらを用いて計算すると、9科目合計の内申点は平均32.6です。3と4が半分ずつでも31.5なので、まだ平均以下です。つまり、オール3の27は「悪い」オール4の36は「少し良い」くらいに考えていただくのが良いでしょう。

はっきり「良い」のは9科40以上

9科40以上あれば、優遇制度を設けているほぼすべての学校の基準を満たせるので、あとはどの高校を第一志望にするのか考えていけばよいです。ただし、9科40以上の受験生が集う都立自校作成校、早慶付属校、GMARCH付属校では内申点を持っているのは当然で、入試当日点での戦いになります。どれだけハイレベルな入試問題演習ができるかが合否を分けていきますので、遅くとも中2の夏までには志望校の合格実績がある地元の塾に通い始めるとよいでしょう。

オール3はどれくらい「悪い」のか

都立高校を第一志望にする場合は併願の私立高校も受験するわけですが、オール3だと併願の私立高校の選択肢が大きく限られます。清瀬市の場合、オール3で併願の優遇をいただける通学圏内の学校は男子2校、女子5校(うち女子校3校)です。「遠い学校は嫌だ!」「女子校はイヤ!」とか言っていられないくらい選択肢は少ないです。私立高校を受験しない場合は、定員割れの可能性が高い学校を受験するか、一般入試で安全圏まで努力するかのどちらかの戦略になるでしょう。「好きな学校を選べない。合格できる学校を受験するしかないのがオール3」とお考え下さい。

おわりに

以上、東京都の高校入試における内申点の基礎知識でした。「うちの子4がないどころか2をとったこともあるのだけど」という保護者様いらっしゃいましたら、とりあえず以下のように勉強をしていただくとよいでしょう。

  • 出題範囲が決まっている暗記テストは満点で当然
  • 提出物は出して当然
  • テスト範囲表の問題集は全問出来るまで繰り返す

以上ができれば4になります。ならない場合には単純に勉強時間が足りていない可能性の方が高いので、塾の自習室に行かせるとよいと思います。

清瀬市・東久留米市にお住まいで「今通ってる塾では入試情報とか全然教えてくれないんだけど」という方がいらっしゃいましたら、無料の学習相談も行っておりますので 公式LINE にご登録の上お問い合わせください。

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