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色は静岡 香りは宇治よ 味は狭山でとどめさす

G.Wも過ぎもうすぐ5月が過ぎ去り、梅雨の季節がやってきます。

さて、5月といえば新茶を収穫する時期です。新茶とはその年の最初に生育した新芽を摘み取って作ったお茶のことです。鹿児島などの温暖な地域から摘み取りが始まり、桜前線とともに北上していきます。1年で最初に摘まれる「初物」の意味を込めて、また旬のものとして呼ばれる際に使われます。

お茶と一言で言っても緑茶・紅茶・ウーロン茶など様々な種類がありますね。じつはどの種類のお茶も同じ木(カメリアシネンシス)から生まれています。ではどのようにして違う種類のお茶ができるのでしょうか。

発酵度による違い

発酵度が異なることによって、香りや味わいが変わってきます。完全に発酵すると紅茶、少し発酵するとウーロン茶、全く発酵させないと緑茶になります。そして菌で発酵させたものがプーアル茶です。ちなみにお茶における発酵というものは、茶葉に含まれる渋みのもとのタンニンを酸化させたものです。

産地によるお茶の特徴

三大産地

三大産地として静岡・鹿児島・伊勢(三重県)が知られています。

①静岡

静岡県はお茶の年間生産量が全国の40%を占めるお茶どころです。静岡県の気候は沿岸部は温暖で変化が少なく、山間部は寒暖差が激しくなっています。この気候の違いがお茶の違いとなって現れます。

②鹿児島

鹿児島は静岡・京都に比べると新しい産地ですが現在では日本有数の産地となっています。鹿児島県はお茶の栽培を始める際に、あらかじめ機械化できるように土地を基盤整備して平坦にしていました。そのため効率よく収穫でき生産量の増加につながりました。また、温暖な気候なので3月下旬~11月上旬までと収穫期間も長く。様々な品種を育てていることも生産量に関わっています。

③伊勢(三重県)

三重県は南北に長く、地域によって気候が異なるため、お茶の収穫時期に差があります。早い地域では4月下旬、遅い地域では5月中旬頃です。かぶせ茶の生産量は全国1位を誇っており、特に四日市周辺で生産されています。かぶせ茶とは茶葉に布などを被せて、あえて日光を遮って栽培されたお茶のことです。日光を遮断すうことで渋みが抑えられ、甘み・旨味の強いお茶になります。

日本三大銘茶

静岡、宇治(京都府)、狭山(埼玉県)は日本三大銘茶と知られています。

①静岡

静岡県はお茶の生産面積・生産量ともに日本で1番です。一般に静岡県で生産されているお茶を全て「静岡茶」と呼んでいますが、実はその中にも20を超えるお茶の産地があります。例えば、本山茶・掛川茶・牧之原茶などです。静岡茶とひとくくりに言ってもたくさんのブランド茶があるのはすごいですね。

②宇治(京都)

京都のイメージでお茶を連想する人は多いと思います。抹茶を使ったお菓子やスイーツもたくさんあります。宇治茶が誕生した京都は玉露・煎茶・碾茶の産地としても有名です。そして、日本のお茶の始まりの場所は鎌倉時代に宇治に植えられたのが始まりと言われています。宇治川の霧が達、涼しく霜の少ない宇治はお茶の栽培に最適な風土でした。

さらに現在の煎茶の生産法のもとである「手揉み製法」は宇治市の無形文化財にとして保存されています。

宇治茶の産地である京都や宇治田原周辺は昼夜の寒暖差が大きいため、生産させるお茶は香りがよく上品です。最初に渋みがきて、後半にかけてはコクや甘さを味わうことが出来る、変化の楽しめるお茶と言えます。

③狭山(埼玉)

タイトルにもあるように、「味は狭山でとどめさす」と言われているくらいに美味しいお茶が作られています。

もともと江戸中期に武蔵国の狭山丘陵一帯でお茶の生産地が開拓されましたが、現在の狭山茶の主産地がお隣の入間市になっています。狭山は、お茶産地の中では冷涼な気候です。三大産地と比べてもかなり北側に位置していることがわかります。そのため、冬の間はお茶の木がじっくりと休むことができ、コクのあるお茶に仕上り、香りや味わいが濃厚になります。

比較的平坦な土地ですが、台地なので寒暖差が激しいことで狭山茶がおいしくなる条件を満たしています。

狭山茶の茶葉生産量はかなり量が少なくなっています。茶を育てるにしては地理的に北に位置しているため収穫は年2回、2番茶までとされているからです。

実際の入試問題

出典:2016年東京都

この知識を使えば上記の3⃣の問2のアがどの都道府県を示しているのかがわかります。①青森県②静岡県③鳥取県④宮崎県となっています。表からアの農業産出額の1位が茶になっていることから静岡県とわかります。

ただ覚えるだけでなくどのようにして広まっていったのかを理解すると記憶に定着していきます。皆さんも身近なものに興味をもつことが重要ですよ。

ちなみに私はお茶よりもコーヒーの方が好きです。

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